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霧の中の邂逅──富士宮口から、山伏と出会う旅 【日本百名山 No.72】富士山に登頂しました!(TEAM百名山) 

霧の中の邂逅──富士宮口から、山伏と出会う旅

今回、登山に選んだ山は日本百名山 No.72の富士山です。

7月某日、山開き前のタイミングを見計らい、TEAM 百名山の一行は富士宮ルートで頂上を目指します。 富士宮ルートは、富士宮口五合目を出発し、静岡県側(富士宮市内)の富士山南側から山頂を目指すルートです!

《 本日のコース 》 富士宮口五合目(2,390m) ⇔ 六合目(雲海荘) ⇒ 新六合目(宝永山荘) ⇔ 新七合目(御来光山荘) ⇒ 元祖七合目(山口山荘) ⇒ 八合目(池田館) ⇒ 九合目(萬年雪山荘) ⇒ 九合五勺(胸付山荘) ⇒ 富士山・山頂(浅間大社奥宮)のピストンコース 総コースタイム:9時間 今日も一日楽しみましょう!!

〈午前5時・富士宮口五合目〉 駐車場の外灯がぼんやりと岩肌を照らし、星々が頭上に瞬いている。 標高2,400m、空気はすでに薄く、静寂の中に靴音だけが響く。 ヘッドライトを点け、登山道へと足を踏み入れる。

〈六合目・雲海荘〉 夜の静けさの中、登山道はすぐに火山岩の急登に変わる。 足元の不安定さに集中しながら進むと、約30分で六合目・雲海荘に到着。 まだ営業前の静かな山小屋の前で、軽く水分補給。 遠くに見える雲海が、ヘッドライトの光に浮かび上がる。

〈新六合目・宝永山荘〉 標高2500m。このあたりから、森林限界を迎え、空気の冷たさと澄み具合が一気に変わる。 深呼吸すると、肺の奥まで冷たい空気が染み渡るような感覚だ。

〈新七合目・御来光山荘〉 五合目から登り始めて約2時間、標高2,780mに位置するこの場所は、登山者にとっての“節目”であり、空気の変化を肌で感じるポイント。 空気が一段と薄くなり、呼吸が浅くなるのを感じる。 ここで一度立ち止まり、体調を確認する。

〈昇る朝日〉

〈 山伏との邂逅〉 新七合目を超えて元祖七合目に差し掛かる頃、遠くから鈴の音と法螺貝の響きが聞こえてきた。 そこに現れたのは、白装束に兜巾(ときん)をかぶった山伏。 法螺貝を手に、ゆっくりと歩いている姿は、時代を超えて現れた幻のようだった。

〈もうすぐ、八合目〉

〈八合目・池田館〉 八合目の池田館で小休止。 風が一瞬止んだように感じた。 酸素が薄くなり、足が重くなる。

〈3100m・本日のおやつ〉

〈八合目山小屋そばの鳥居〉 八合目からは、富士山頂上浅間大社の奥宮境内地と言われ、いよいよ、聖域に入る。

〈九合目・標高3,460m〉 ここまで来ると、空気は薄く、風は冷たく、そして周囲の景色はまるで別世界。

〈萬年雪山荘〉

〈空の静寂〉 万年雪山荘の周囲は岩場と雲海に囲まれ、山頂まであと一歩という緊張感と、雲海に包まれる静寂が共存する場所です。

〈万萬雪山荘を後にして〉 足元はゴツゴツした火山岩、風は冷たく、空はどこまでも近い。 登山道は神域の回廊のような雰囲気に包まれ、山頂の浅間大社奥宮が近づくにつれ、信仰の気配も濃くなってくる。

〈空の氷原〉

〈九合五勺・胸付山荘〉 標高3,580m。 「富士は祈りの山。闇を登ることで、心の曇りも晴れていきます」 彼らは富士講の伝統を今も守る修験者たち。 富士宮口はかつて“表口”と呼ばれ、信仰登山の中心だった場所。 山伏は年に数度、夜間登山で山頂へ祈りを捧げるという。 「霧は試練。風は浄化。すべては心を映す鏡です」 そう言って、法螺貝を吹きながら、これから山開きを迎える山小屋の安全を祈っていたのだろう。

〈空と心が交差する“静寂の回廊”〉 登山の終盤であり、心身ともに疲労困憊の中、最も深く自分と向き合える時間だ。 富士山は、ただの山ではなく、心を整える旅路と実感。

〈浅間大社奥宮の鳥居〉 ここまで来ると、疲労よりも感動と緊張感が勝ってくる。

〈頂上・浅間大社奥宮〉 鳥居をくぐり、富士山頂に鎮座する「富士山本宮浅間大社 奥宮」へ。 標高3,776m、日本最高所の神社。 社殿は火口の縁に沿って建てられ、厳しい自然の中に静かに佇んでいる。

〈本日のおやつ その2〉

〈大内院(おおないいん)〉 奥宮で手を合わせたあと、火口をぐるりと見渡す。 眼下に広がるのは、大内院と呼ばれる巨大な火口。 直径約800m、深さ約200m。 荒々しい岩肌と、ところどころに残る雪渓が、富士山が活火山であることを静かに語っている。 富士山は、ただの登山ではない。 自然の厳しさ、歴史の重み、そして祈りと出会いが織りなす旅だ。

~自然の厳しさと美しさ、そして信仰の深さを肌で感じる登山体験~

天候にも恵まれ、【日本百名山 No.1】富士山(ふじさん)3,776mに登頂することができました!

富士宮口ルートは、標高差も大きく、岩場や急登が続くスリリングな道のり。 まさに、技術と心を鍛える“修験の道”でした。 標高3,000mを超えると、空気は薄く、風は冷たく、そして景色はまるで別世界。

九号五勺「胸突山荘」を越えたあたりでは、雪面が硬くアイスバーン状になっており、慎重な足運びが求められました。 それでも、眼下に広がる雲海と、空に浮かぶような鳥居の姿は、忘れられない絶景でした。

何より嬉しかったのは、事故やトラブルもなく無事に下山できたこと。 TEAM百名山の皆さん、楽しい一日をありがとう! この山行は、きっと私たちの記憶に深く刻まれることでしょう。